「味で黙らせてくる志願者」――「通販の虎」で、食のプロたちからそんな言葉が飛び出したのが大渕幸平さんです。
番組で紹介した「大渕さん厳選!お肉の定期便」は、9月スタート分250枠が配信終了後約2時間で完売。その後に販売された偶数月分もSOLD OUTとなり、計500枠が売り切れる反響を呼びました。
しかも大渕さんは、桑田龍征氏がもともと「虎として実は僕が推薦した人」と語っていた人物です。なぜ虎として推薦されていた大渕さんが、今回は志願者として審査を受けることになったのでしょうか。桑田氏が推薦した背景から、食のプロたちによる審査、そして500枠完売へとつながった反響までを追います。
目次
桑田龍征が「虎」として推薦、まずは志願者として実力を問う
今回の出演には、通常の志願者とは少し異なる経緯がありました。
番組冒頭で桑田龍征氏は、大渕さんについて「虎として実は僕が推薦した人」と紹介。以前から実績に注目し、虎側への出演をリュウジ氏へ相談していたと明かします。
しかし、リュウジ氏から返ってきたのは「まずは志願者でしょ」という反応でした。そこで大渕さんは審査される側に回り、林尚弘氏、中村英俊氏、渡部いずみ氏、林巨樹氏、リュウジ氏を前に商品をプレゼンすることになります。
持ち込んだのは、自ら厳選した希少部位を2カ月に1度届ける定期便。大渕さん自身と商品の実力が、改めて問われる形で審査が始まりました。
入社3日後に父が死去、5年間食べ続けて身につけた肉の目利き
大渕さんは大学卒業後、約8年間の会社員経験を経て、父親が経営していたフランクミートへ入社しました。
もともと肉屋を継ぐつもりはなかったものの、久しぶりに父親と再会したことで「一緒に働きたい」と考えるようになります。しかし、入社からわずか3日後に父親が亡くなり、自ら会社を担うことになりました。
そこから約5年間、牛・豚・鶏、和牛や外国産まで自ら仕入れ、毎日のように実食。「この部位なら、どう食べれば一番おいしいのか」を試し続け、肉を見る目を身につけていったといいます。
番組では、父親が亡くなった頃に約1億円だった年商を約12億円まで拡大したことも紹介されました。現在は年間約2,000社と取引し、高級店だけでなく給食やラーメン店、居酒屋などにも肉を卸しています。
その仕入れ力と目利きを、一般家庭にも届けようとしたのが今回の商品でした。
希少部位を2カ月に1度、500枠限定で家庭の食卓へ
「大渕さん厳選!お肉の定期便」は、希少部位を中心とした肉を2カ月に1度届ける商品で、価格は1回9,900円(税込・送料込)です。
用意したのは奇数月スタート250枠と偶数月スタート250枠の計500枠。希少部位は確保できる量そのものが限られるため、無制限には販売できません。
大渕さんが主なターゲットとして想定したのは家族世帯です。「焼くだけ」「塩で炒めるだけ」など簡単に調理できる肉を選び、部位ごとにおすすめの食べ方を伝える説明も用意すると話しました。
また、供給量について問われると、卸売の取引量が増えれば通販向けに確保できる部位も増え、将来的には販売枠を広げられる可能性があると説明しています。
希少部位の加工には手間もかかるため、大渕さんは同様の仕組みについて「99%真似できません。大手も含めて」と自信を見せました。
「アホの価格設定」から一転、実食では「味で黙らせてくる」
一方、審査では商品を手放しで褒めるだけではありませんでした。
リュウジ氏は、希少部位を詰めながら9,900円に設定していることについて「アホの価格設定」と表現し、ビジネスとして成立するのかを心配します。大渕さん自身も、これまで卸売が中心だったため、小売価格の正解が分からず卸値に近い感覚で設定したと説明しました。
さらに「希少部位を家庭でうまく調理できるのか」という疑問も出ます。
ところが、セセリや黒毛和牛のサガリ、メガネ、ホルモンなどを実際に焼き始めると、「うまい」「めっちゃうまい」と声が続出。ホットプレートで焼いた肉にも高い評価が集まりました。
最後には「味で黙らせてくる志願者大好きなんだよな」との言葉まで飛び出し、価格や調理への疑問とは別に、肉そのものの品質については強い手応えを残しました。
5人全員が「掲載する」、虎自身も定期便を購入
ファイナルジャッジでは、5人の虎全員が通販の虎ECサイトへの掲載を選びました。
林巨樹氏はセセリと定期便を購入し、「このために冷蔵庫買おうと思いました」とコメント。中村英俊氏は、コロナ禍に生産者を支えていた大渕さんの姿勢に共感し、7セットの購入を希望します。
渡部いずみ氏は、小さな子どもがいる家庭でも自宅で焼肉を楽しめる点を評価。林尚弘氏もホルモンをはじめ肉の味を評価し、掲載を選びました。
最後のリュウジ氏も1セットを購入。「僕が買うよりはみんなに食べてもらいたい」と話したうえで、「和牛ってうまいんだなって感じてもらいたい」と掲載を決めています。
さらに「僕もちょっと何かしら手伝いたい」と申し出て、大渕さんは5人全員からECサイト掲載を認められる結果となりました。
追加250枠も完売、定期便500枠がSOLD OUTに
番組中には、500枠という販売数を聞いた虎側から「500なんかはける」「放送直後もうすぐ終わり」と、早期完売を予想する声も上がっていました。
実際に9月スタート分250枠が約2時間で完売すると、その後に販売された偶数月お届け分250枠もSOLD OUTとなり、計500枠の定期便が売り切れました。
さらに大渕さんは9月19日、偶数月お届け分を6件限定で再販すると告知。和牛さがりや和牛メガネの単品販売も案内しており、定期便完売後も販売機会を広げています。
🥩
🥩✨ 9月24日(木) 21:30〜 販売開始!
お待たせしました!
今回も数量限定で、
こだわりのお肉をご用意しました🥩✨🔥 単品商品
・厳選国産和牛さがり 30セット
内容量600g (300g×2袋) 17,000円(送料込)・厳選国産和牛メガネ 30セット
内容量600g (300g×2袋)… pic.twitter.com/VFCRBoPWLj— 肉屋の大渕さん (@kouhei_oobuchi) September 19, 2026
通販の虎による売上報告では、9月スタート分250枠の完売時点で累計売上329万円突破と発表されています。定期便以外でも「厳選国産セセリ」「黒毛和牛ホルモン」「厳選国産和牛メガネ」などにSOLD OUTが出ました。
動画自体も9月末時点で56万回再生を超えており、商品の購入だけでなく、出演回への関心も広がっています。
500枠完売の先へ、9,900円を守りながら和牛を広げられるか
大渕さんは番組内で、今回の商品を「めちゃめちゃ儲かってやろう」と作ったわけではなく、和牛や肉のおいしさを広めることが目的の一つだと説明しています。
一方、今後は和牛の供給量が減り、価格も上がっていくとの見通しを示しました。その状況でも、9,900円という価格は「絶対守っていきたい」とし、中身を工夫しながら継続する考えです。
また、取引量が増えれば希少部位の確保量も増え、販売枠を広げられる可能性があると話しています。
500枠が完売したことで、次に問われるのは「売れるか」ではなく、品質と価格を維持しながら、どこまで多くの家庭へ届けられるかです。
父親の会社を引き継ぎ、卸売を中心に成長させてきた大渕さん。「本当に美味しい肉を全国に届けたい」という目標に向け、通販の虎で踏み出した一般消費者向け販売が今後どこまで広がるのか注目されます。

