「令和の虎」で虎として志願者を見極めてきた安藤功一郎氏が、自ら志願者席に座って始めた「Next Mission」が、約4カ月を経て次の段階へ進んでいます。
9月27日のYouTube LIVEでは、5月の事業開始から赤字が続いていた中、9月に初めて月次黒字となったことを安藤氏本人が報告しました。
9月には公式Xでの発信も本格化し、10月17日には自衛官と民間企業が直接つながる新たな取り組みも予定されています。「令和の虎」で掲げた構想は、その後どのように動き始めたのでしょうか。
目次
虎だった安藤功一郎が志願者席へ、Next Missionの挑戦が始まる
物語の始まりは、5月9日に公開された「令和の虎」860人目の回でした。
普段は虎として出資判断を下す安藤氏が、この日は26年間にわたり陸上自衛隊に勤務した森崇嘉さんとともに志願者として登場しました。
2人が持ち込んだのは、退職する自衛官と民間企業をつなぐ人材紹介事業「Next Mission」です。自衛官のセカンドキャリアの選択肢を広げるため、2,000万円の投資を希望しました。
いつもとは逆の席に座った安藤氏は、「逆から見るだけでだいぶ緊張する」と率直に口にします。
森さん自身も自衛隊を退職した当事者であり、長年の勤務を経て、退職自衛官のセカンドキャリアをもっと明るく、選択肢の広いものにしたいと考えていました。
Next Missionは何をする?自衛官と企業をつなぐ仕組み
Next Missionは、退職や転職を考える自衛官と、自衛官を採用したい民間企業をつなぐ人材紹介サービスです。
特徴の一つが、キャリアアドバイザーが間に入ること。本人が自衛隊で積み重ねてきた経験を棚卸しし、企業や仕事内容について事前に説明することで、入社後のミスマッチを減らすことを目指しています。
また、相談した自衛官を必ず民間企業へ転職させるわけではありません。状況によっては、「自衛官として働き続ける」という選択肢も含めてキャリアを考える方針を安藤氏は番組内で説明しました。
企業側には自衛官人材の求人を開拓し、出演時点では約20社の上場企業から求人を受ける契約があると説明。中には、自衛官であれば採用年齢を広げたり、大卒を条件としていた求人で高卒者も対象にしたりする企業があるといいます。
自衛官には民間での新たな可能性を、企業にはこれまで接点を持ちにくかった人材との出会いをつくる。双方の間に入り、キャリアと採用をつなぐことがNext Missionの役割です。
虎の懸念にどう答えた?自衛隊を挟んだから大手企業へ
仕組みが明らかになる一方で、審査ではNext Missionの存在意義そのものを問う議論も巻き起こりました。
虎からは、人材紹介だけで自衛官のセカンドキャリアという根本的な課題を変えられるのかという指摘に加え、転職先が充実することで、かえって途中で自衛隊を辞める人が増えるのではないかという懸念も示されます。
そうした問いに対し、安藤氏が掲げたのが「自衛隊を挟んだから大手企業に転職できるみたいな世界観を作っていきたい」という未来像でした。
森さんも、任務に集中する自衛官にとって、勤務と並行しながら退職後の準備を進めることは簡単ではないと自身の経験から説明します。
そのうえで、退職後の出口が明るくなれば、現役自衛官が将来への不安を減らして任務に向き合え、その姿が次の世代にとって自衛官を目指すきっかけにもなるとの考えを示しました。
「転職を増やすサービスなのか、それとも自衛官の未来を支えるサービスなのか」。審査では、この事業が自衛隊そのものにどんな影響を与えるのかまで踏み込んだ議論となりました。
最終判断を待たず2,000万円パーフェクトALL
議論を重ねる中で、審査の空気は大きく動いていきます。
虎たちは、自衛官の成り手不足という課題への共感、安藤氏のプレゼン力や森さんの熱意、これまでの付き合いから感じていた安藤氏への信頼など、それぞれ異なる理由から出資を決断しました。
そして最終判断を迎える前に、出演した虎全員が希望額2,000万円を提示するパーフェクトALLが成立しました。
森さんは最後に、現役自衛官の未来が明るくなれば、安心して任務にまい進でき、その姿を見た次の世代が自衛官を志す流れにもつながると展望を語っています。
安藤氏も「この事業は日本の国防と未来を担う事業」と位置づけ、事業を成功させる決意を示しました。
出演から1カ月で328名、自衛官から相談が相次ぐ
番組でのパーフェクトALLは、単なる盛り上がりだけでは終わりませんでした。
Next Missionは6月、出演からわずか1カ月で現役・元自衛官328名から問い合わせが寄せられたと発表しています。
内容は転職相談だけでなく、退職後のキャリア設計や、自衛隊で培った経験を民間企業でどう生かしていくかといった相談まで多岐にわたりました。
一方、企業側からも自衛官の採用やNext Missionとの提携に関する相談が増え、求職者と企業の両側から反響が広がっていきます。
「令和の虎」で語られた構想は、出演から間もなく、実際のキャリア相談と企業からの採用ニーズという形で動き始めました。
9月に月次黒字化、公式Xも本格始動
そして事業開始から約4カ月後、Next Missionは一つの節目を迎えます。
9月27日にライブ配信された安藤氏のYouTubeでは、自身が現在関わっている事業の一つとしてNext Missionの近況が語られました。
安藤氏によると、5月の事業開始後は8月まで赤字が続いていましたが、9月に初めて月次黒字を達成したといいます。
「本当に皆さんのご協力のおかげ」と感謝する一方、安藤氏は自衛官を採用したい企業や、身近に採用で困っている企業があれば問い合わせてほしいと呼びかけました。
また9月16日には、Next Mission公式X「自衛官のミカタ@Next Mission」も発信を本格化。転職やキャリアに悩む自衛官と、自衛官を採用したい企業の双方へ向けた情報発信を始めています。
10月17日は「知ること」から始める新たなキャリアの場へ
月次黒字化を報告した9月27日、安藤氏はXで次の取り組みも告知しました。
10月17日に東京で開催予定なのが、自衛隊を辞めるか迷っている20代と民間企業を直接つなぐキャリア企画です。
自衛官を辞めるか迷っている20代へ。
「自衛隊を辞めたら、自分に何ができるんだろう。」
そう思っているなら、一度、民間企業の人事と直接話してみてください。
上場企業・有名企業も参加。
しかも、普通の合同説明会とは違います。話を聞くだけではなく、その場で選考に進むこともできます。… https://t.co/9qanccCBR8
— 安藤功一郎 @令和の虎🐯 (@andoreiwanotora) September 27, 2026
投稿によると上場企業・有名企業も参加予定で、話を聞くだけではなく、その場で選考へ進める場合もあるといいます。
対象は、すでに転職を決めている人だけではありません。安藤氏は「まだ転職すると決めていない」自衛官にも参加を呼びかけ、「まずは、知ることから始めてみませんか?」と発信しています。
虎として座っていた安藤氏が志願者となり、2,000万円のパーフェクトALLを獲得した5月。そこから328名の相談、企業側からの反響を経て、9月には月次黒字化まで進みました。
次は、自衛官と企業が実際に出会う場へ。Next Missionが目指してきたセカンドキャリアの選択肢を広げる取り組みは、「令和の虎」で語られた構想から、具体的な支援と採用の場へ進み始めています。

